二次元世界観測所

暗殺教室応援ブログ。

いつか来る別れ

とある猫の話をしよう。重い内容なので注意。

吾輩は猫である

吾輩は猫である

 

今日、家で飼っていた猫が死んだ。
8年間、一緒に過ごした。大切な家族だった。
いつも通り、寝床で幸せそうに眠っている時に心臓発作が起きて逝った。本当に突然のことだった。 
苦しんだのは一瞬だったと思う。それがせめてもの救いか。
亡骸はまだ箱の中にある。涙が枯れた目で見つめていると、様々な思い出が蘇ってくる。
あいつと過ごした日々ををいつまでも覚えていたい。
そんな想いを込めて、この記事を書く・・・

 

妹が、小さな野良猫を家に連れてきた。
駅前で座っていた猫に餌をやったらついてきたらしい。
―よっぽどお腹が空いてたんだな・・・。―

俺は猫があまり好きではなかった。
近寄ると逃げる、引っかかれる、威嚇される。
猫に触れた例が無い。友人が飼っていた猫も、いつも物陰に隠れている。
―男ならやっぱ犬だろ、犬!―

何だかんだで飼うことになった。ペットを飼うのは初めてだった。
一週間くらい観察していてまず思ったのが、猫らしくない、だった。
近寄っても動じない、触っても引っかかない、むしろ・・・甘えてくる!
―なにこいつ超可愛い!―

猫の魅力とは恐ろしい。あっという間に猫大好き人間になった。
家族の前では嫌いなフリしてたが。飼うのに最初は反対していたし。

こうして家族が増え、家はますます賑やかになった。

 

それからは色んなことがあった。
猫じゃらしに飛びつくジャンプ力に驚いたり。
良かれと思って牛乳をやっていたら尿が詰まって大変なことになったり。
普段は全く鳴かないのに、スルメがある時は必死に鳴いたり。
こたつの中で仰向けで寝ている姿に爆笑したり。(失われた野生!)
俺の高級イヤホンのコードを食い千切られたり。
病院で大暴れして多大な迷惑をかけたり。
いつしか甘えてこなくなり、何というか、ふてぶてしくなったり。
ストーブの前を占領したり。(全然退かない!)
脱走した時は家族総出で追い駆けたり。
生死の境を彷徨うような大手術があったり。
やたら太ってふてぶてしさに磨きが掛かったり。(動かざること、山の如し。)
一緒に昼寝したり。(腹の上に乗ってくる。正直重い。)

もう、一緒にいるのが当たり前になっていたせいか、細かい出来事はほとんど忘れた。
思い返そうとしても、案外、出てこないものだ。
―もっと写真、撮っておくべきだったぜ・・・。―

 

あいつは、幸せだったのかな。
人間の都合で、満足に走り回ることもできないクソ狭い家に閉じ込められて。
最期は誰にも看取られることなく、ひっそりと息を引き取った。
もっと、してやれることがあったはずだ。もっと、一緒に過ごしたかった。
飼うと決めた時に覚悟はした。いつか絶対に、別れは来るのだと。
それでも、俺は、あいつの鳴き声をまた聴きたいと願わずにはいられない。

 

あいつがどう思っているかは知らないが、少なくとも俺は、一緒に過ごせて幸せだったよ。
その名前の通り、家族みんなを幸せにしてくれた。お前がいてくれたから、辛い時も乗り切れたんだ。
今までありがとう。あの世でも元気でな―〝ハッピー